シェフが伝授:スチーマー不要で蒸し料理を作る方法
by ヘックス クラッド
人々が料理をはじめた何千年前から現代に至るまでの間、野菜を蒸すための道具が常にあったわけではありません。蒸し料理が食べたいけどスチーマー(蒸し器)は持っていない方のために、シェフの裏ワザをご紹介します。
蒸し料理は、柔らかい野菜やでんぷん質の多い料理、崩れやすい繊細なタンパク質などの食材にも適した調理法ですが、スチーマーがないから、と敬遠していた方もいるかもしれません。でも、もう大丈夫。スチーマーという商品があるからといって、必ずしもプロのシェフがみんな使っているとは限りません。
ご家庭の限られたキッチンスペースにあらゆるキッチンウェアを収納するのは、時に困難です。新しい道具を買い揃えるのは楽しく、新商品のミキサーやスチーマーなどがついつい気になりつつも、いつも使う鍋やフライパンの収納場所を確保しなくてはいけないという葛藤があるかもしれません。
キッチン用品店に駆け込む前に、ぜひこちらの方法をお試しください。
蒸すとは?
ここから、蒸し料理の歴史、重要な調理技術である理由、そしてスチーマーを持っていなくても蒸し料理を楽しむ方法についてご紹介します。
まず始めに、「蒸す」ことの定義を確認してみましょう。蒸し料理とは、水分の熱を利用して調理する方法です。そのためには、沸騰したお湯と、そのお湯から発生する蒸気を取り込むための密閉された空間が必要になります。この蒸気が食材を約100℃で調理します。
フランスでは、蒸気を利用した調理法として、クッキングシートで包んだ食材を蒸気で調理する「アン・パピヨット」という手法が古くから伝統的に用いられています。
蒸し料理では沸騰したお湯が重要な役割を果たしますが、食材がお湯に触れることはありません。蒸気を発生させるための、わずか2cm程度の深さの水が食材を蒸します。
なぜ、食材を蒸すのか?
蒸し料理は以下の2つの理由から、マスターしておくと良い調理法です。
まず、デリケートで柔らかい食材や、でんぷん質の食材の調理に役立つことが挙げられます。でんぷん質の食材を調理するには時間がかかるため、オーブンやグリルでローストするのは大変。例えば、ニンジンをオーブンで焼いくには、40分近くもかかります。魚のようなもろい食材は、フライパンの中で崩れたり、グリルから落ちてしまうことがあります。インゲン豆は、生の状態で調理するとすぐに焦げ目がついてしまいます。しかしこれらの食材を蒸せば、柔らかく、そして風味を損なわずに美味しく仕上げることができます。
2つ目の利点は、他の調理法に比べて「ヘルシー」であることです。蒸すことで、他の調理法で使用するバターや油脂などの不要なカロリーを省くことができます。
また、食材の水分を保ちながら蒸すので、野菜の栄養素を失うこともありません。
おすすめの蒸し食材は?
より具体的に、蒸し料理に適した食材を見てみましょう。デンプン質の多い野菜、柔らかい野菜、口当たりのいいタンパク質を含む食材など、それぞれ例を挙げていきます。
蒸し料理におすすめ:野菜類
- じゃがいも
- にんじん
- キャベツ
- さつまいも
- 白にんじん
- カリフラワー
- ブロッコリー
- かぼちゃ
- ほうれん草
- ちんげん菜
- アスパラ
- ズッキーニ
- カボチャ
- ケール
など
どっしりと重みがあったり皮が固い野菜も、蒸気で柔らかくなり、食感や形を損なわずに調理ができます。他の調理法では崩れやすく柔らかい葉物野菜などの食材も、蒸し料理に適しています。
柔らかくなるまで蒸したら、お好みで味付けをして食べてみてください。葉物野菜は、塩とコショウで味付けして、お好みの料理の上にのせても美味しいです。
蒸し料理におすすめ:タンパク質食材
- 淡白な魚(タラ、サケ、タイ、マヒマヒまたはシイラなど)
- えび
- かに
- ロブスター
- 卵
- 鶏肉
これらのタンパク質食材は、脂肪が少なく味も薄いのが特徴ですが、蒸すことで風味を保ったまま美味しくいただけます。お好みの調味料を加えてもいいですね。
反対に牛肉は、肉の脂がカラメル状になることで本来の風味が引き立ちます。そのため蒸すのではなく、直接加熱して調理するのがおすすめです。
蒸し料理におすすめ:フルーツ
- 洋梨
- りんご
- 桃
蒸し料理は、デザート作りにも。甘いチーズやナッツを詰めたフルーツを蒸すと、食事の締めくくりにぴったりです。砂糖を使ったクッキーやケーキではなくても、食べ応えありです。
果汁やメープルシロップをフライパンで煮詰めると風味豊かなソースに。蒸したフルーツの上にかけてお楽しみください。
スチーマー(蒸し器)とは?
蒸し料理の利点の次は、標準的なスチーマーがどのようなもので、どのように機能するのかを説明します。スチーマーは、一般的な炊飯器や鍋と同じような大きさのキッチンウェアです。スチーマーには、取り外し可能な蒸しかごが付属されています。
使い方
スチーマーの底に水を入れ、沸騰するまで加熱して使用します。蒸しかごにはさまざまな大きさの食材を入れることができます。蒸しかごには様々なサイズのバリエーションがあり、食材によって使い分けます。例えば穴が小さく深さの浅いもので魚を蒸し、大きな穴が開いたものでカリフラワーを蒸したりできます。
スチーマーの魅力は、その利便性です。水と食材を入れてセットしたら、あとは待つだけ。夕食前のカクテルを楽しんだり、別の家事を行ったり、またはテレビでスポーツ観戦をしている間に、スチーマーが仕上げてくれます。
スチーマーの種類は?
現在市販されているスチーマーには、主に2つのタイプがあります。ボイラーが無いスチーマータイプと、アラカルト(複数品を同時に蒸す)タイプです。
ボイラーが無いスチーマータイプは、食材を蒸すのに時間がかかりますが、水とメンテナンスが少なくて済みます。逆にアラカルトタイプは、調理時間が短い代わりに、調理時間が水の使用量が多く、定期的な洗浄を必要とします。
日々新しい製品が販売されていますが、蒸し料理を簡単にするには、蒸しかごが入る大きさでピッタリと蓋のしまる鍋を選ぶのが、私たちのおすすめです。
スチーマーは本当に買う必要がある?
キッチンにスチーマーを置くかどうか、は勿論あなた次第。最新のキッチンウェアには目がないという方には、高品質スチーマーは満足な買い物になりそうですね。
しかし、スペースをやりくりするために、スチーマーとフライパンのどちらかを選択しなければならない場合は、フライパンを選ぶ方が良いでしょう。なぜなら、スチーマーが無くても、身軽に食材を蒸すことができるから。
比較的少ない量の蒸し料理には、ヘックスクラッド ハイブリッド 蓋付き鍋(0.95L)をお勧めします。蓋がしっかりついていて、ハイブリッドテクノロジーによってしっかりと蒸し料理を作ることができます。
スチーマーなしでどうやって蒸すの?
いよいよスチーマーがなくても食材を蒸すことができるシェフの裏ワザを紹介します。これらの裏ワザは、お手元のキッチンウェアや、必要な時に簡単に購入でき、保管も楽なアイテムを使用します。
アルミ製パイ皿を使う
スチーマーを自宅で作る方法のひとつは、アルミ製パイ皿をスチーマー用のバスケットとして使用することです。ハサミや鋭利なナイフで、皿の底に穴を開けます。そして、鍋に水を入れ、パイ皿の凹んだ面を下にして鍋に入れます。こうすることで、鍋の表面が平らになり、水と食材の間にスペースを作ることができます。
そして、蓋をして食材を蒸します。餃子や点心など、様々なレストランで使われている蒸しかごを模しており、このやり方はとても有効です。
アルミ製パイ皿は、お近くのスーパーで手に入ります。とてもコンパクトなので、何個か常備しておくと、いつでも簡単に蒸し料理に使えます。
ケーキクーラーを使う
ケーキクーラー(できれば丸いもの)は、蒸しかごの代わりにもなります。蒸気を閉じ込めるため、ケーキクーラーが鍋にうまく収まるかどうか、そして蓋が閉まるかどうかを調理前に確認してください。
鍋の底に水を入れてラックをセットするだけなのでとても簡単。タンパク質やブロッコリーなどの蒸し野菜に最適です。野菜がラックから滑り落ちり、水がラックの底面より高くなって沸騰中に水が食材に当たらないように注意しましょう。
ザルや漉(こ)し器を使う
金属製のザルや漉し器を使えば、大きな鍋でも問題なく食材を蒸すことができます。鍋に収まるサイズのザルが付属しているキッチンウェアもありますし、付属品として販売されている場合もよくあるようです。
この組み合わせは、たくさんの野菜や食材を蒸すのに向いています。
お皿とホイルの裏ワザ
ここではオーブンを使うため、石やセラミック素材など、オーブン対応の耐熱皿が必要です。またオーブン対応のロースト鍋または深めのフライパンなどで蓋がしっかり閉まるものを使ってください。そして同じ大きさのアルミホイル3枚と、オーブン皿も用意します。
3枚のアルミホイルを同じ形と大きさになるようにそれぞれ丸めて、3つのボールを作ります。鍋またはフライパンに底が浸るくらいの水を入れ、アルミボールを等間隔になるように水の中に入れます。アルミが脚の役割を果たすので、アルミホイルのボールの上に耐熱皿を置き、水平になるようにしてバランスをとります。耐熱皿の上に食材を載せ、蓋を閉めたら準備完了です。
この方法は、崩れやすい食材が隙間から落ることなく蒸すことができるので、淡白な魚の切り身などデリケートな料理に適しています。
最終兵器は電子レンジ
電子レンジを使えば、あっという間に野菜を蒸すことができます。とにかく時間がないときに頼れる方法です。電子レンジ対応のボウルや耐熱皿の底に大さじ2~3杯の水を入れ、その上に下味をつけた野菜をのせ、湿らせた布巾やペーパータオルを被せたら、電子レンジで加熱します。
布巾と水から蒸気がしっかりと発生し、野菜に熱が通るので、あっという間に食卓に並べることができます。時間がないけれど簡単なおかずが必要なときにも、蒸し野菜は頼りになるでしょう。
まとめ
今回ご紹介した蒸し料理の裏ワザは、高価なキッチンウェアや出番の少ない道具をわざわざ買わなくても、日々のお料理に役立つと確信しています。最小限の労力で、食材の栄養価をまるごと詰まった蒸し料理を美味しく仕上げてみてください。
最初は少し難しくても、練習と実践を繰り返せば、きっと完璧なテクニックが身に付きます。時間短縮とコスト削減のために、一台二役の大鍋を活用しましょう。ヘックスクラッドのキッチンウェアなら、あらゆる面でカバーすることができます。
出典(英語のみ):
Gallery: How to Cook En Papillote | Serious Eats
Steaming is a Quick and Healthy Way to Cook Foods | EatFresh
The Science of Steaming | Asia Society